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大学入学共通テストで受験できる英語の民間試験まとめ

2020年度の大学入試から、既存のセンター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入されます。大学入学共通テストでは、英語科について、民間試験の成績を利用するシステムが採用されます。大学入学共通テストへの英語民間試験の導入には、受験生間の公平性を保つなどの観点から課題も指摘され、それぞれの大学間でも意見が別れています。大学入学共通テストにおいて、民間試験からの成績提供システムを利用する大学は、2018年調査時点で10大学以上あると見られます。東京大学は、2018年当初までは「民間試験からの成績提供システムを利用しない」との立場を表明していましたが、2018年9月には「民間試験からの成績提出を必須としない」との立場に変わりました。

 

大学入学共通テストへの英語民間試験導入を控え、大学受験生の英語学習の現場では、今後しばらく流動的な状況が続く可能性があります。大学入学共通テストに成績を利用できる英語の民間試験にはどんなものがあるのか、どのような点に注意して対策をとっておけばよいのかなどについて解説します。

※2019年7月2日、IIBCより「「大学入試英語成績提供システム」へのTOEIC® Tests参加申込取り下げのお知らせ」が発表されました。本記事は、上記お知らせ発表前に作成したものです。内容のお取り扱いにはご注意ください。

目次

大学入学共通テストの英語で使われる民間試験は7つ

大学入学共通テストの英語で使われる民間試験は、おおまかに分けて次の7つです。1つの民間試験につき、レベルや内容によって数種類に分かれるものもあります。

 

ケンブリッジ英検英検GTECIELTSTEAPTOEFLTOEIC

 

7つの英語民間試験の検定料、受験者数英語民間試験の概要

大学入学共通テストの英語に成績を用いることのできる7つの民間試験の概要は、次の通りです。

小分類2020年度の実施地区検定料年間 試験回数「話す」テストの回答形式受検人数ケンブリッジ英語検定10地区PET(B1)11,880円~ KET(A2)9,720円2〜3回面接国内人数非公表 ※全世界では約250万人英検全都道府県2級:5,800円(準会場 5,400円) 準2級:5,200円(準会場 4,800円)3回面接か録音約339.4万人(2016年実績) ※英検テストファミリー総志願者数GTEC全都道府県Core / Basic / Advanced タイプ 5,040円CBTタイプ 9,720円3回録音約102万人(2017年実績) ※年間延べ受検者IELTS10/9地区25,380円40回面接約3.7万人(2016年実績) ※全世界では290万人TEAP全都道府県L,R 6,000円 L,R,W,S 15,000円3回面接約2.4万人(2017年実績)CBT6地区15 ,000円3回録音約700人(2017年実績)TOEFL iBT10地区235USドル40-45回録音非公表TOEIC L&R全都道府県5,725円10回−約250万人(2016年実績) ※TOEIC Program 全世界約700万人S&W10地区10,260円24回録音約3.2万人(2016年実績) ※TOEIC Program 全世界約700万

参照:資格・検定試験 比較一覧表(資格・検定試験 関連情報 [英語4技能試験情報サイト])

英検は大学入学共通テストにも利用できる新しい英語検定試験を導入

英検は、大学入学共通テストに対して英語成績を提供するための新試験を導入すると発表しています。公益財団法人日本英語検定協会では、従来型の英検に加え、新たな試験方式として、2018年度より英検CBT、2019年度より公開会場実施(仮称)、1日完結型(仮称)を実施します。大学入学共通テストに際し、大学入試英語成績提供システムを介して英検を受ける場合は、従来型のものではなく、新しく導入される、「公開会場実施(仮称)」、「1日完結型(仮称)」、「英検CBT」の3種類の試験のうちいずれかを受検します。ちなみに、大学入試英語成績提供システムを介さずに大学受験をする場合は、従来型の英検を受検しても構いません。

ケンブリッジ英検では、受検すべきグレードの確認が必要

ケンブリッジ英検には複数のグレードがあります。詳細は「一般英語と中高生対象の英語検定 」のWebサイトで確認できます。ケンブリッジ英検では、受験生や受験する大学などの条件によって受検すべきグレードが異なります。志望する大学や学科の応募要項をしっかりと確認し、効率のよい学習計画を立てていく必要があります。各大学でのケンブリッジ英検の採用状況については、「高校・大学入試における外部試験(英検)の活用状況」から参照できます。

大学受験生は英語民間試験をいつ受ければよい?

大学受験生が、民間試験を受ける場合、民間試験を受ける時期や回数に制限があります。現役生については、高校3年生の4月~12月の間に受検した2回に限られます。大学受験生が英語の民間試験を受検する時期や回数に制限が設けられた理由としては、受験勉強が早期化し過ぎたり、居住地域や経済状況による格差が大きくなり過ぎたりすることを防ぐ目的が挙げられます。

英語民間試験導入にあたっての課題と、試験運用団体の対応

大学入試センターでは、大学入学共通テストへの民間試験の成績提供にあたり、民間試験受検の時期や回数に制限を設ける、また、条件によっては制限を緩くする例外を認めるなど、入試の公平性を保つための対策をとっています。

 

それでも、それぞれの民間試験によって受検料が高額だったり、会場が限られていたりするために、受験生の間に格差が生じ、入試としての公平性を欠く可能性が指摘されています。居住地域や経済状況によって、民間試験を受けられる回数に差が出る、民間試験が受けられないなどといったケースが想定されています。

 

各民間試験団体は、こうした課題に対し、受験生の経済的負担を軽くしたり、会場数を増やしたり対策をとることを検討しています。

英語民間試験に関する情報大学入学共通テストに民間試験を活用する大学、活用しない大学

大学入学共通テストに民間試験を活用するかしないかは、大学によって分かれています。また、同じ大学でも時期によって立場を変えるなどの動きもあり、大学入学共通テストへの民間試験の採用周辺では今後も流動的な動きが続くことが予想されます。2018年9月現在、大学入学共通テストに民間試験を活用すると発表した大学は、筑波大学、埼玉大学、千葉大学、東京外国語大学、東京学芸大学、電気通信大学、一橋大学、信州大学、金沢大学、岐阜大学、長崎大学、琉球大学などの大学です。

 

民間試験の活用に慎重な姿勢を見せる大学の中には、各試験で測る力が異なるので公平性の担保が困難であると懸念する大学もあります。

認定試験結果をどのように活用するのか

国立大学協会では、それぞれの大学や学部の方針に基づいて、認定試験結果を活用するとしています。

 

 一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする CEFR による対照表に基づき、新テストの英語試験の得点に加点する

 

上記の方法のいずれか、あるいは双方を組み合わせて活用するとしています。また、加点する点数の具体的な設定は、各大学や学部が主体的に定めるとしています。

関連サイト

独立行政法人 大学入試センター

民間の英語4技能試験の結果の提供について(平成30年8月10日) – 文部科学省

資格・検定試験 比較一覧表 – 資格・検定試験 関連情報[英語4技能試験情報サイト]

「大学入試英語成績提供システム」参加要件 確認結果を受けて – 公益財団法人日本英語検定協会

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